ブログにおける「文章力」とは何か?
「文章を書く」と聞いてあなたはどう思いますか?
こんな感想もあるかもしれません。確かに文章を「生み出す」のは大変ですよね。
しかし,文章を書くには「決まったコツ」みたいなものが無数にあります。それを意識してコツコツ書くクセを付けていけば,多くの人を引きつける文章を書けるようになります。
ほとんどの人は「始めません」。始めたあなただけが得をするのです。
ブロガーの人はもちろん,そうでなくても「他人に読んでもらえる文章」が書けるようになると,日々の生活や仕事に驚くほど役に立ちます。
あなたも文章修行,始めてみませんか?
「ブログの書き方」全般については上記の記事をどうぞ。
文章力を付けるためのコツ1:読み手を想像する
あなたの書いた文章は誰が読んでますか?実はこの視点が欠けているのが,日本の作文教育の最大のガンなのです。
「遠足についての作文を書きましょう」
小学生のころ,こういう課題がありましたよね?これは誰に読んでもらう作文なんでしょうか?
先生?一緒に遠足に行ってますよね。
同級生?やっぱり一緒に遠足に行ってますよね。
「遠足の作文」は本来「遠足に行っていない人」に向けて,「遠足がどんなものだったか」わかりやすく書くべきものなのです。
あなたのそのブログ記事,誰に向けて書いてますか?どんな人が読んでいるか顔まで想像できますか?
ブロガーはスーパースターではありません。ごく一部の誰かに「役に立つ」と言ってもらえれば十分なのです。
何にでも役立つ道具は,すべてにおいてもの足りない道具
ということを,私は若いときに師から教えてもらいました。響く文章とは,読んでくれる人だけに届けばよいのです。
このことをブログに特化して「ペルソナ」という用語で説明したのが下記の記事です。よろしければ,こちらもどうぞ。
文章力を付けるためのコツ2:形容詞に頼らない
もし,あなたが観光した先でめちゃくちゃ素晴らしい光景に出会ったとします。どう表現しますか?
- 言葉にならないほどすごかったです。
- めちゃくちゃすごいと思いました。
- 綺麗…と感じました。
- 素晴らしいの一言に尽きます。
- スゴい!美しい!
自身の体験を表現するのに,「すごい」「綺麗だ」「素晴らしい」「美しい」といった形容詞による表現が出てくるのは無理のないことと思います。
しかし,他者に「感動を伝える」のだとしたら,これで本当にいいのでしょうか?
たとえば,「美しい」という形容詞は,話者や書き手の主観評価を表します。もちろん,それは偽らざる気持ちでしょう。しかし,「どう美しいのか」は言葉を尽くさないと届きません。
- ゴールが決まった瞬間,私の体の芯に電撃が走りました。
- その絵を見つめていると,いつしか自身もその世界に取り込まれるような不思議な感覚を覚えました。
- 次々と打ち上げられる花火を見て,「あの人と一緒に見たかった…」と心から思いました。
- 彼の献身的な介護に「私にはできない」という尊敬の念を覚えるとともに,感謝の念をおさえきれませんでした。
- 苦労して訪れたその地。その光景。美しさに圧倒され,立ち尽くしました。
いかがでしょうか?上記の5例は,先に挙げた「形容詞だけの感情を表した文」に「例えばこんな場面の描写なら」ということで,私が再表現した文です。
もちろん,下の文が良いとは限りません。読み手次第です。
しかし,ブログなどの表現メディアの担い手としては「感動を伝える」ということを読み手にゆだねてしまうのではなく,「自らが責任を持つ」ということが大切なのではないでしょうか。
文章力を付けるためのコツ3:困難を解決する
これは文章力そのものというよりも,「人を引きつける」という方向性です。
「想定する読者」というものを考えたとき,もしあなたが「読み手」ならどういう情報を優先して読むでしょうか?
もちろん,「楽しかった!」「素晴らしかった!」という体験は重要です。
しかし,その一方で「何か落とし穴はないか」「トラブルに巻き込まれる可能性は」ということは,あなたのブログの読み手は常に気にしています。
そうなんです。読み手は「成功体験」を探す一方で,「困難の忌避」も同時に強く意識しているのです。
旅ブロガーの方の最大の長所は,この「困難の体験」だと思います。
もちろん,素晴らしい体験も伝えるべきです。しかし,その一方で「予想もしない困難」にこそ情報価値があるというのも一つの真実です。
ぜひ,旅ブログを書く方は「失敗」をさらけ出して書いてください。それが多くの方の準備知識になり,共感を呼ぶのです。
失敗は成功の元(母)
というのは,かのエジソンの有名な格言です。
ぜひ,みなさんも「読者を引きつける文章力」のために,旅で大いに失敗をなさってください。
その失敗の上に,多くの読者の成功が積み重なっていくとすれば,それは本当に「求められている文章」であり,「役に立つ文章」です。
誰もが無難に得た観光記録ではなく,「運悪く遭遇した失敗談」こそ,ぜひブログで共有してください。それがGoogleも評価する唯一無二,オンリーワンの記事です。
まとめ
よく「文章力を磨く方法を教えてください!」とブロガーとしても,本業(大学教員)でも言われることがあります。
研究業界における一般論としては,「子どもの頃から積み重ねてきた読書量が,文章力の基礎である」というものがあります。
これは論証に値する多くのデータもあり,あながち間違いではないことはわかっています。
しかし,それでは「大人になってから頑張りたい」人に対して,あまりに無慈悲です。
実は「文章を書く」ということは,幼少期を逃したとしても個人的にはトレーニングでいくらでもうまくなると私は思っています。
しかし,そのためには「目的」が必要です。本記事では,
- 文章力を付けるためのコツ1:読み手を想像する
- 文章力を付けるためのコツ2:形容詞に頼らない
- 文章力を付けるためのコツ3:困難を解決する
の三つを「コツ」として紹介してみました。
この提案があなたに合うかはわかりません。それでも,あなたの「文章力を高めるコツ」のヒントになればと書いてみました。
ぜひ,自分自身の「文章を書く」という活動を振り返りっていただき,役に立つ部分があれば参考にしていただければ幸いです。
「ブログの書き方」全般については上記の記事をどうぞ。