Twitter凍結から永久凍結→異議申し立てと内容証明からの凍結解除まで
Twitterには「通報」というシステムがあります。
もちろん,正当な通報自体は必要なシステムなのですが,これを悪用することで他人を凍結させることができてしまっています。Twitterの「穴」と言えるでしょう。
2021年11月頃から,いわゆる「凍結屋」と呼ばれる犯罪者集団により,数千から数万のアカウント(当初はポイ活界隈,その後はガジェット界隈)が凍結される騒ぎが続きました。
犯罪者が「凍結」やり放題、Twitterの「ヤバすぎる実態」。自衛方法も伝授、貴方のアカウントが凍るのは明日かもしれないのだ|すまほん!!
2021年12月末時点で,本件についてもっともまとまっている記事は上記かと思います。上記記事が指摘するように,「凍結屋」という名称は確かにどうかと思いますが,通用度が高いため本記事では仮に使うことにします。
本記事では,他人事と思っていたところ,2021年11月30日に凍結→あっという間に永久凍結となったあとに,3週間で凍結解除までにやった記録を当事者の立場からまとめます。
凍結屋とは?
MNPで有名な方々や乞食速報系が@ JapanFloyd とかいうやつに凍結祭りされてる。もうちょっと調べると別垢で凍結解除お手伝いはDMへみたいな文言も出てきた
なんやーーーーーl??? pic.twitter.com/FByBpBRB8D
— TKRさん❄️ (@TKR_gadget) November 30, 2021
手口は「多数のアカウントで集中的に通報することで凍結に追い込む」ということになります。
当初は「凍結屋は公式アカウント(青いチェックマーク付きアカウント)を乗っ取っており,それら信頼性の高いアカウントからの通報で凍結させている」という話もありましたが,こちらの記事によるとどうも眉唾のようです。
そうなると,単に多数の通報をしているだけということになるでしょう。Twitter社がザルと言わざるを得ません。
凍結屋の狙いは「偽造品(偽装品)」に関するTwitterポリシー違反
凍結屋の狙いは「偽造品(偽装品)」に関するTwitterポリシー違反です。
Twitterポリシーにおける「偽造品(偽装品)」の定義は上記の通りです。
もちろん,当アカウント(@monimonita333)は心当たりはなかったのですが,Apple製品を中心としたAmazonアソシエイトのツイートが狙われているようです。
Twitter社がザルなので,適当なツイートを対象に通報しまくれば凍結される可能性があるようで,どうしようもない感じです。
黒歴史クリーナーなどで,過去ツイートを全消しするぐらいしか対処法がありません(後述しますが,鍵アカは一定の防御効果あり)。
凍結屋の霜取り(解凍)サービスとは?
また,凍結屋は「霜取り(解凍)サービス」というものをおこなっていると主張しています。
しかし,凍結や凍結解除の措置ができるのはTwitter社だけなはずで,これはかなりアヤシいと思われます。
上記画像も恐らくTwitter社への異議申し立てが通ったのと,お金を払った?タイミングが合っただけと思われます。
犯罪者集団に金を払うと永遠にカモにされかねません。
Twitter凍結前にも後にも「脅迫」がなかったのが特徴
犯罪者が「凍結」やり放題、Twitterの「ヤバすぎる実態」。自衛方法も伝授、貴方のアカウントが凍るのは明日かもしれないのだ|すまほん!!
まず,時系列の整理をする前に確認しておきたいのは,もにもにた(@monimonita333)のアカウントは,上記のような凍結屋からの「脅迫」を受けていないということです。
ということは,誰かが依頼したのか,はたまた単に見せしめなのかわかりませんが,この辺は他の報告と少し違うところです。
ただ,当アカウントについてのTweetはスクショを取り忘れましたが,凍結屋アカウントの一つである(@JapanFloydTW)に,2021年11月30日付けで上記のような凍結報告ツイートがありました(凍結解除後にはツイ消しされてました。実績に傷つくのを嫌がるようです)。
凍結中や凍結解除後も,最後まで凍結屋からDMが来ることはありませんでした。
Twitter凍結から凍結解除までの時系列の整理
- 2021年11月30日:午前8時頃に凍結を確認
- 2021年11月30日:1回目の異議申し立て
- 2021年12月2日:1回目の異議申し立て受理メールに返信
- 2021年12月3日:永久凍結の連絡
- 2021年12月4日:2回目の異議申し立て(対応がない場合は弁護士を立てることを連絡)
- 2021年12月7日:3回目の異議申し立て(英語でも送付)
- 2021年12月11日:4回目の異議申し立て
- 2021年12月12日:5回目の異議申し立て
- 2021年12月14日:弁護士を代理人に立て,Twitter Japan社に内容証明郵便送付
- 2021年12月16日:Twitter Japan社が内容証明郵便を受理
- 2021年12月16日:6回目の異議申し立て
- 2021年12月21日:7回目の異議申し立て
- 2021年12月21日:8回目の異議申し立て(別メールアドレス)→凍結解除
- 2021年12月21日:凍結屋が当方(@monimonita333)の凍結実績Tweetを削除
時系列に整理すると上記の通りとなります。凍結から3週間での凍結解除となりました。
下記,上記のプロセスの中で気付いたことを述べていきます。
ポイント1:異議申し立てはAIでの自動返信がほとんどでほぼ効果がない(のではないか)
Twitter社への異議申し立ては,こちらのTwitterサポート「ロックされたアカウントと凍結されたアカウントに関する問題」に送ります。
- 偽造品(偽装品)の紹介はしていない
- 偽造品(偽装品)のTwitterポリシーに違反している自覚もない
- 違反しているTweetがあれば指摘してほしい
- もし違反しているTweetがあった場合は削除し,今後は違反しないように努める
おおよそ上記のようなことを書いて送れば良いかと思います。
異議申し立ては恐らくAIでの自動返信がほとんどで,ほぼ効果がありません。下記のような判で押した文面が自動で返ってくるだけで,絶望しかありません。
まさに糠に釘,のれんに腕押しです。しかし,しないよりは継続してした方がマシかと思います。たまーに,人間が見ていることを祈って。
さらに具体的な文面については,下記の記事でハヤトさん(@point_ippanjin)が公開されているので参考にしてみてください。
【Twitter凍結解除 体験記】再凍結→2回目も奇跡の復活!効果があった「異議申し立て」の申請方法や文章の全まとめ、例文あり|ポイント・マイル逸般人
ただ,人間が見ておらず,AIによる自動返信であれば,文面によって効果が変わるということはあまり期待できない気もします…。
当方はしませんでしたが,Twitter Japanではなく,下記のようにアメリカのTwitter本社へ英語でFAXを送った方が良いという話も聞きます。
【凍結解除のためにした事】
①無限に異議申し立て(とその自動返信への返信)をしまくった。弁護士さんに話聞くとこまで言ってるんで早く解除or説明をくれと言いまくった。
②サンフランシスコ本社にFAX。一回目はネットの無料FAX、二回目はコンビニからFAX。
③皆さんにお願いをしてTwitter社に— いろはす嬢 (@irohasujo_) October 9, 2021
ポイント2:異議申し立て受理メールに返信が必要
これは意外と盲点だと思います。
Twitter社に異議申し立てをしたあと,「このメールアドレスはTwitterからの連絡に使用します。確実に連絡が取れるアドレスを入力してください」と書かれた欄に入力したメールアドレスに上記の確認メールが届いたあと,どうもこのメールに返信が必要なようです(いたずら防止?)。
1回目の異議申し立てのあと,このことに気付かずに数日を過ごしてしまいました。
まあ,気付いてメールを返信(2021年12月2日)したら,永久凍結のお返事が来た(2021年12月3日)わけですが…。
ポイント3:永久凍結は永久と言うわりには結構解除される可能性がある
こちらもネット上で報告を見かけますが,Twitterの永久凍結は意外と解除される可能性があります。
「凍結→永久凍結」とステータスが変わると「終わった…」と感じるかもしれませんが,大した差はない気がします。
根気よく異議申し立てを続けましょう。
ポイント4:英語での異議申し立ては効果不明
Twitterサポートは,基本的にアメリカのTwitter本社のアカウントのようなので,英語での異議申し立てなら読んでくれるかとかんがえました。
そこで,2021年12月7日:3回目の異議申し立てでは英語でも送付してみましたが,先ほども述べたように,人間が読んでいるとは到底思えない機械的な返事しか来ませんでしたので,効果は疑問です。
【日本語・英語例文付き】フォームから申請しても解除されないTwitterアカウントの凍結を短時間で解除する方法!(サンフランシスコにFAXを送るだけ)|メルのび雑記中
英語で送るなら,アメリカのTwitter本社へFAXを送った方が効果がありそうですね。
ポイント5:弁護士を代理人に立て,Twitter Japan株式会社宛てに内容証明郵便を送ってみた
この対応が当方のオリジナリティが最も高い部分だと思います。陸弁さん(@rickbenflyer)に依頼をしました。
2021年12月14日:弁護士を代理人に立て,Twitter Japan株式会社に内容証明郵便を送付しました。
文面の全てを公開することはできませんが,概要は下記の通りです。
- 弁護士は通知人(もにもにた)の代理人である
- 通知人は複数のアフィリエイトリンクを掲載していたが,偽装品(偽造品)のリンクはなく,偽装品(偽造品)を販売する動機もない
- 異議申し立てに対して「偽装品(偽造品)に関するポリシー違反」に該当する具体的なTweet内容の指摘がない
- 2018年3月15日にTwitter Japan社は「Twitterルールに違反したことでアカウントが凍結になった場合、どのツイートがどのルールに違反しているのかを、メールにて、より具体的にご連絡するようにいたします」と述べており,対応に齟齬がある
- そこで,「どれがポリシー違反のTweetか明示すること」「精査して問題がなければ凍結を解除すること」「問題があれば,その根拠を明示すること」を求める
Twitterルールに違反したことでアカウントが凍結になった場合、どのツイートがどのルールに違反しているのかを、メールにて、より具体的にご連絡するようにいたします。なお、メールには異議申立てを行われる際のリンクもご案内しています。 pic.twitter.com/GEmc7iiuKL
— Twitter Japan (@TwitterJP) March 14, 2018
2018年3月15日のTwitter Japan社のTweetはこちらです(本社のTwitterサポートアカウントによるTweetではない)。
さて,内容証明の効果についてですが,2021年12月16日にTwitter Japan社が内容証明郵便を受理→2021年12月21日に凍結解除と,日数的に間がありました。
もちろん,Twitter Japan社内での検討に5日を要したという可能性もありますが,現時点では内容証明郵便と凍結解除の因果関係は明らかとは言えません。
なお,弁護士さんに内容証明郵便を依頼した場合の料金の相場は,5万円+実費からといったところのようです(当方の依頼支払額の公開は差し控えます)。上記の記事などご参照ください。
ポイント6:別の連絡先メールアドレスから送付した直後に凍結解除された
こちらも凍結解除との因果関係は不明ですが,「このメールアドレスはTwitterからの連絡に使用します。確実に連絡が取れるアドレスを入力してください」と書かれた欄に入力するメールアドレスを,異議申し立て1回目から一貫して使用していたメールアドレスAではなく,うっかりメールアドレスB(@monimonita333の登録メールアドレスでもある)から送付したところ,メール送付から約20分ほどで凍結解除のメールが来ました。
「複数のメールアドレスから異議申し立てをした方が良い」という話も聞きますので,何らかの効果があったのかもしれませんが,因果関係は不明です。
ポイント7:Twitterアカウントを非公開(鍵アカ)にすることで一定の防御効果あり
Twitterの「設定」→「プライバシーと安全」→「オーディエンスとタグ付け」→「ツイートを非公開にする」にすることによって,凍結屋からの攻撃に対して防御効果がありそうです。
凍結屋からアカウントが見えないようになっていれば,Twitter社への通報もできないからです。
ただし,すでにフォロワーの中に凍結屋のアカウントが潜んでいる場合は,凍結されてしまう可能性は残ります。
また,こちらの記事を参考に「一連の凍結屋アカウントをブロックする」については,凍結された時点で実行していましたが,効果はありませんでした。
まとめ
本記事では,2021年11月30日に凍結され,2021年12月21日に凍結解除された経緯をまとめました。
ポイント1:異議申し立てはAIでの自動返信がほとんどでほぼ効果がない(のではないか)
ポイント2:異議申し立て受理のメールに返信が必要
ポイント3:永久凍結は永久と言うわりには結構解除される可能性がある
ポイント4:英語での異議申し立ては効果不明
ポイント5:弁護士を代理人に立て,Twitter Japan宛てに内容証明郵便を送ってみた
ポイント6:別の連絡先メールアドレスから送付した直後に凍結解除された
ポイント7:Twitterアカウントを非公開(鍵アカ)にすることで一定の防御効果あり
その過程で感じたことを上記にまとめてみました。事前の脅迫がなく,凍結中や凍結解除後も,最後まで凍結屋からDMが来ることはありませんでした。
本記事執筆時点(2021年12月末)では,凍結屋のアカウントが次々と凍結されるなど,状況は良い方に向かっているようです。
その一方で,凍結屋に凍結されたまま戻ってこられていない方も多数お見受けします。
一日も早く,平和なTwitterが戻ってくる日を願い,凍結された当事者の立場から記録として本記事を書かせていただきました。
同様の境遇のみなさまのご健闘をお祈りしております。
凍結屋とは。世の中、いろんな悪巧みを考える人がいるものだと知りました。また、Twitterのような企業はこういう個別対応はいい加減だということもよくわかりました。大変勉強になりました。改めまして、今年1年いろいろ教えていただきありがとうございました。
キッスあーみーさま
コメントありがとうございます。普通に考えたら,こんな商売(?)が成り立つのはおかしいのですが,穴はどこにでもあるものですね。
Twitter社の人々も人間ですから対応が追いつかないこともあると思いますが,可能な範囲で是正をお願いしたいところです。