【2018年8月1日から】マリオットとSPGのプログラム統合について:特にSPGアメックスの扱いを中心に




2018年8月1日からのマリオットとSPGのプログラム統合について

ついに2018年4月17日に,マリオットとSPGのプログラム統合について発表がありました。これによりスターポイントはどうなるのか?マイル化は?SPGアメックスの特典(朝食無料や無料宿泊など)はどうなるのかについて,整理してまとめてみました。

マリオット・SPG・リッツカールトンのプログラム統合

あくまで今回の統合劇の主役はマリオットグループです。そもそも,2016年9月にマリオットグループが,スターウッドグループ(SPG)を買収したことから今回の話は始まっています。

もともとマリオットグループはリッツカールトンも配下に収めていましたので,そこにSPGも加わった形です。上記のロゴを見てもわかるように,常にマリオットが中心に位置します。

買収後,SPGアメックスカードを発行すると,上記画像の通り,SPGゴールドからマリオットゴールドとリッツカールトンゴールドにステータスマッチが可能になるというとてつもないメリットを生み出し,SPGアメックスは大人気になりました。

このSPGアメックスによるステータスマッチについては下記の記事で詳しく解説しております。よろしければどうぞ。

マリオットアメックスプレミアムカードは年会費が高いのがデメリット!しかし高いだけの価値がマリオット・ゴールドにはある!その評判とは

2023-05-30

しかし,このステータスマッチは当初から不釣り合いと言われていました。

マリオットゴールド SPGゴールド
部屋のアップグレード
ラウンジの利用可能 ×
朝食無料(最大2名まで) ×
16時までのレイトチェックアウト保証
ポイント取得率UP
無料の高速インターネット ×

上記の通り,マリオットゴールドのメリットは,SPGゴールドのメリットをはるかに超えるものだったからです。それもそのはず,2018年7月31日までの旧プログラムでは,

  • マリオットゴールド:50泊が必要
  • SPGゴールド:10滞在 or 25泊が必要

上記の通り,かなり達成難易度にも差があったわけです。

今回のマリオット・SPG・リッツカールトンのプログラム統合では,この統合による不釣り合いなメリットについては残念ながら是正(正常化)されてしまいました。SPGアメックスユーザーとしてはボーナスステージが終わった感があり残念です。

しかし,その他の面で新プログラムを見ると,必要ポイント数などプログラム統合によるメリットもあります。その点に注目していきたいと思います。

「スターポイント」が「ポイント」へと変換:1スターポイント→3ポイント

  • 8月にスターポイントはポイントへと自動的に変換されます。変換は一括で行われ、ポイント数はスターポイント残高の3倍になります。
  • また8月から、ホテルでの対象となるご利用金額1米ドルごとに10ポイントを獲得できます (エレメント、レジデンス・イン、タウンプレース・スイートでは1米ドルごとに5ポイント)。エリート会員は獲得ポイントが一層アップ。

まず「スターポイント」から「ポイント」への名称変更およびレート変換です。8月に名称変更とともに,1スターポイントは3ポイントに自動的に変換されます。

アメックスからも上記のお知らせメールが来ていました。上記だけ見ると「なんと!3倍!」と喜びたくなるところですが,それは残念ながらぬか喜びです。

もともと1スターポイント=3マリオットリワードポイントという交換レートだったので,ポイントの実質価値は変わりません。しかし,新名称が「ポイント」って…。

  • これまで:20,000スターポイント→25,000マイル
  • これから:60,000ポイント→75,000マイル

したがって,各社へのマイル交換も上記の通りに変更になります。見た目のポイント数は変わりますが,実質価値は変わりません。

マリオット・SPG・リッツカールトンのアカウントが1つに統合

  • SPGアカウントに加えてマリオット リワードまたはザ・リッツ・カールトン・リワードのアカウントもお持ちの場合は、8月に1つに統合することが必要です (すでに双方をリンクさせている場合も同様)。
  • アカウントの統合により、アカウントとプロフィールは1つになります。また、ポイントとエリートナイトの残高も合算され、すべてのポイントと宿泊日数をより効率的にご利用いただけます。
  • 実施のタイミングをお知らせできるよう、お客様の登録Eメールアドレスが現在ご利用中のものかご確認ください。

マリオット・SPG・リッツカールトンのアカウントが1つに統合されます。ログインやアカウント管理の面で便利になるだけではなく,ポイント管理の面でも便利になります。

しかも,エリートナイト(上級会員になるための宿泊実績)も統合されますので,これまではたとえばプラチナチャレンジをおこなう際に,「マリオットとSPG,どっちでやるべきか…」という悩みもありましたが,今度からはそれもなくなります。プラチナチャレンジについては下記の記事をどうぞ。

マリオットプラチナチャレンジを9泊して達成!約11万円で26,652マリオットリワード+無料宿泊1泊をGET!その全貌をお届けします

2018-03-06

新しいエリート会員(上級会員)資格とその特典

  • 8月には、10泊で到達できる新しいシルバーエリート会員資格などを含むエリート会員レベルや特典を新規導入します。詳細はこちらをクリックしてご覧ください。
  • 2019年1月1日から、エリート会員資格の獲得はご滞在数ではなく宿泊日数によって計算されます。それまでSPG会員のお客様は、SPGのブランド限定で滞在回数に基づいて会員資格を獲得できます。ただしその間も、全29ブランドを対象に宿泊日数に基づいて資格を獲得することもできます。
  • 現在エリート会員の方のエリート資格は維持され、8月に新しい同等の会員レベルに移行します。下記の表を参照してください。
  • リワードとSPGリワードアカウントを統合した会員は、2018年1月1日以降の29ブランドのホテルでの合計宿泊日数に基づいて、より高いエリート会員資格の獲得が可能になります。
  • SPGまたはリワードですでにライフタイムエリート会員資格に到達しているお客様は、新しいプログラムでもそのライフタイムエリート会員資格が維持されます。また、統合後の新プログラムでは、SPGとリワードアカウントを統合した時点で、リワードとSPGのライフタイムアクティビティを合算して、ライフタイムエリート会員資格の条件としてカウントします。
  • 1年間ですでにリワードとSPGの両方のエリート会員資格に到達している場合は、ライフタイム会員資格に向けた年数2年分としてカウントされます。

みなさまが一番知りたいのはこれだと思います。プログラム統合により,エリート会員(上級会員)制度が大きく変わります。詳しく説明していきたいと思います。

ただし,新しいエリート会員制度は,あくまで2018年8月1日からです。この点は,ご承知おきください。

旧マリオット&旧SPGと新プログラムの対照表

旧マリオット 旧SPG 新プログラム
登録のみ 通常メンバー 通常メンバー 通常メンバー
10泊 シルバー 通常メンバー シルバー
10滞在 ゴールド
25泊 シルバー ゴールド ゴールド
25滞在 プラチナ
50泊 ゴールド プラチナ プラチナ
75泊 プラチナ プラチナ プラチナプレミア
100泊+20,000ドル プラチナプレミア
アンバサダー

やはり価値の高いマリオットゴールドと,比較的に取りやすいSPGゴールドのギャップが是正されてしまいました。また,旧SPGであった「10滞在 or 25泊」といった「滞在」の基準はなくなり,純粋に「泊」だけが基準となりました。しかし,20,000ドル…(約200万円)。

新プログラムの主要なエリート資格特典(ベネフィット)

通常メンバー
(0~9泊)
シルバー
(10泊)
ゴールド
(25泊)
プラチナ
(50泊)
プラチナプレミア
(75泊)
プラチナプレミア
アンバサダー
(100泊+20,000ドル)
無料インターネット
会員価格
ポイントボーナス 10% 25% 50% 75% 75%
レイトチェックアウト
(14時まで)

(16時まで)

(16時まで)

(16時まで)
アップグレード
(スイート含む)

(スイート含む)

(スイート含む)
朝食
(ウェルカムギフトとして)

(ウェルカムギフトとして)

(ウェルカムギフトとして)
ラウンジアクセス

上記をご覧ください。旧SPGゴールド=ゴールドエリートでは,

  • 朝食なし
  • ラウンジアクセスなし
  • レイトチェックアウト14時まで

ということで,大幅に特典削減となりました。これはまさに悲報です。まあ,これまでが良すぎたというしかないのですが…。

さらに「スイート宿泊特典として、プラチナエリートに5泊分、プラチナプレミアエリートに追加5泊分(計10泊分)提供」という特典もあります。

2017年7月31日までにSPGアメックスを発行して,SPGゴールド→マリオットゴールドを得た場合はどうなる?

となると,ここで気になるのは,「2017年7月31日までにSPGアメックスを発行して,SPGゴールド→マリオットゴールドを得た場合はどうなる?」という点ですね。

  • 良い予想:2017年7月31日までにマリオットゴールドの人は「新プラチナ」になる
  • 悪い予想:2017年7月31日にマリオットゴールドでも,SPGステータスマッチの人は「新ゴールド」止まり

これですね。ここが運命の分かれ目です。「良い予想」が当てはまるなら,2017年7月31日までにSPGアメックスを発行するとメチャクチャおトクです。

現時点では何とも言えず,マリオットやSPGに問い合わせをしたとしても正確な答えは出てこないと思いますすが,実はこれに関して,アメリカのアメックスプラチナカードについてですが,下記のようなQ&Aを載せている英文記事がありました(信憑性は不明)。

Q: What level status will my Amex Platinum card give me in the new program?(私のAmex Platinumカードは、新しいプログラムのどのレベルのステータスになるのでしょうか?)
A: Gold status. However, if a member has Marriott Gold status before August 1, they will have Platinum status on August 1.(新ゴールドステータスになります。ただし、もしあなたが8月1日より前にマリオットゴールドのステータスを取得している場合に限っては、8月1日に新プラチナのステータスになります。)

My take on Marriott’s big announcement | Frequent Miler

もちろん,これがそのまま日本のSPGアメックスに当てはまるかどうかはわかりません。しかし,これが当てはまるのであれば,2017年7月31日までに,SPGアメックスを発行してからステータスマッチでマリオットゴールドになっていれば,新プラチナになる可能性もあります。果たして?!

もし「SPGアメックス発行→SPGゴールド→マリオットゴールド→新プラチナ」の可能性に賭けてみたい!と思われたら,ぜひ,SPGアメックスの発行を検討してみてください。

ポイント獲得に関する変更

こちらは大したことは書かれていません。一部例外はあるものの,どのグループのホテルに泊まっても1米ドルあたり10ポイントの獲得になり,客室料金のほか,部屋付けにできる料金もポイント獲得対象になります。

あとはデルタスカイマイルとの提携によるクロスオーバーリワードは,2018年7月15日に新たなプログラム詳細が発表になる予定とのことです。

特典交換の新たなチャンス:新しくカテゴリー8が新設

まず,SPGアメックスの継続特典にもある無料宿泊についてはこれまで通り,特典除外日もカテゴリー制限もないようです。しかも,SPGだけではなく,マリオットグループのホテルからも選択可能になるため,この点は改善です。

また、8月からはポイントをお好きなマイレージプログラムのマイルに変換すると、60,000ポイントごとに15,000ボーナスポイントが追加で提供され、合計25,000マイルを獲得できます。

また,マイルへの交換プログラム(60,000ポイント→75,000マイル)についてはここに明記されています。マイル交換については選択肢が広がるようでこれも改善ですね。

そして,新プログラムでは,これまでの各プログラムのカテゴリーが整理され,さらに最高レベルであるカテゴリー8が新設されます。

カテゴリー スタンダード
8月1日有効
オフピーク
2019年予定
ピーク
2019年予定
1 7,500 5,000 10,000
2 12,500 10,000 15,000
3 17,500 15,000 20,000
4 25,000 20,000 30,000
5 35,000 30,000 40,000
6 50,000 40,000 60,000
7 60,000 50,000 70,000
8
2019年予定
85,000 70,000 100,000

新しいポイントプログラムである「ポイント」に基づいて上記の表が適用されます。プログラム統合によって,利用できるホテルの垣根もなくなりますし,全体的にはポイントによる宿泊は下がる傾向のようで改善と言えます。

ただし,宿泊時期によって「ピーク」などが適用されるため,繁忙期のポイント利用による宿泊については改悪になるのではないでしょうか。

あとは,各カテゴリーにどのホテルが配置されるのかを待つしかありませんね。日本国内のホテルが低めだと嬉しいのですが…。

クレジットカードによるポイント獲得と特典:SPGアメックスの場合

日本のSPGアメックスなど,提携クレジットカードによるポイント獲得と特典も一新されました。まず,ポイント獲得については先ほども述べたように,

100円で新プログラムの「3ポイント」が獲得できるようになりました。ただし,数字は増えても実質価値は据え置きです(これまで獲得できた1スターポイントも,3マリオットリワードポイントに交換できたため)。

継続ボーナスの特典内容の変更

まず,エリート会員資格取得用クレジット特典内容については,「2滞在5宿泊分の実績をプレゼント」から「5宿泊分の実績をプレゼント」になりました。新プログラムでは「滞在」という基準はなくなったため,変化なしですね。

これについては,ける(@kerutravels )さんが上記のようなTweetをされています。アメリカでは年会費100ドルのカードで,エリート15泊の実績付与なんですか…。SPGアメックスは300ドル以上ですからね。比較すると残念な感じです。

もう一つの無料宿泊特典対象ホテルについては,「SPGのみ」→「SPG/マリオット」と変更になったので改善です。どうせなら,リッツカールトンも門戸を開いて欲しかったです…(さすがに追加料金/追加ポイントが発生しそうですが)。

まとめ:SPGアメックスはどうなる?

SPGプログラム変更に伴う 特典改定のご案内|American Express

ここまでSPGアメックスの今後に焦点を当てながら,2018年8月1日に統合される新プログラムの紹介してきました。SPGアメックスの特典改訂については,上記の公式サイトのお知らせもご参照下さい。

  • SPGアメックスを発行するだけで,新プログラムでも「ゴールドエリート」になれる
  • ただし,新ゴールドエリートでは「朝食無料」と「ラウンジ利用」は無し
  • さらに,従来は16時だったレイトチェックアウトも14時に

上記の点が改悪部分でしょうか。しかし,より少ないポイントで宿泊が可能になったり,継続特典の無料宿泊やポイント宿泊で選べるホテルが増えたりと,改善される部分も多々あります。

そして,肝心の「2017年7月31日までにSPGアメックスを発行して,SPGゴールド→マリオットゴールドを得た場合」については,不明としか言いようがないのですが,現時点での情報をお伝えしました。

そして,新プログラムの改善点と改悪点を最後にまとめておきたいと思います。

新プログラムの改善点

  • アカウント統合で管理が便利になる
  • アカウント統合でポイント移行が不要になる
  • エリート宿泊実績が合算されるので無駄がなくなる
  • 10泊でシルバーという手軽なエリートステータスが新設
  • 新プラチナが75泊→50泊に軽減されている
  • これまで隠れステータス(?)だったプラチナプレミアが正式に設置
  • 新「ポイント」でもマイルへの125%交換はそのまま
  • 継続特典の無料宿泊やポイント宿泊で選べるホテルが増える

新プログラムの改悪点

  • 25泊のゴールドエリートから「朝食無料」と「ラウンジ利用」がなくなった
  • ゴールドエリートで16時までだったレイトチェックアウトが14時までに短縮
  • ウェルカムギフトが「ポイント」「朝食無料」「アメニティ」から選択になった(同時にもらえない)
  • 50泊で獲得できるスイート宿泊特典が,10泊分→5泊分に減少

まだまだ不明な点もありますが,まとめてみました。また新たなことがわかれば追記したいと思います。よろしくお願い申し上げます。

SPGアメックス→新プラチナの夢に賭けてみる?!

もし「SPGアメックス発行→SPGゴールド→マリオットゴールド→新プラチナ」の可能性に賭けてみたい!と思われたら,ぜひ,SPGアメックスの発行を検討してみてください。











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