総務省ガイドライン「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」に対応
ようやくソフトバンクグループが重い腰を上げました。総務省ガイドライン「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」に対応する形で,2019年8月にソフトバンクとワイモバイルが中古端末や譲渡端末に対するSIMロック解除を始めました。ただし,SIMロック解除は店頭のみで有料です。
このソフトバンクグループの対応が,総務省ガイドラインとどのように関係しているのか確認してみます。
4 SIMロック解除の円滑な実施
SIMロックは、役務を提供する事業者の変更や、海外渡航時の役務の利用に際しての端末の利用に制限を設け、利用者の利便を損なう要因になる。また、役務契約の締結や変更のコストを押し上げ、役務の料金やサービス内容の差別化による競争を阻害する要因になる。
SIMロック解除の請求があったにもかかわらず事業者が正当な理由なくこれに応じないことにより、電気通信の健全な発達又は利用者の利益の確保に支障が生じるおそれがあるときは、業務改善命令の要件(電気通信事業法第 29 条第1項第12 号)に該当する。
したがって、事業者は、次に示す方法等により、SIMロックの解除の請求に応じることが適当である。
(1) 対象となる端末
① 事業者は、原則として自らが販売した全ての端末についてSIMロック解除に応じるものとする。
まず,上記をご覧ください。ガイドラインでは「原則として自らが販売した全ての端末についてSIMロック解除に応じるものとする」と定めています。
つまり,回線契約を結んだ端末だけではなく,中古端末や譲渡端末についてもSIMロック解除に対応せよということです。
ドコモは2019年2月20日にすでに中古端末や譲渡端末のSIMロック解除に対応しています。
しかも,ドコモは店頭でのSIMロック解除は有料であるものの,Web上でのSIMロック解除は無料でおこなっています。
(2) 利用者からの請求に応じて行うSIMロック解除に関する手続
① 事業者は、インターネットや電話等の迅速かつ容易な方法により、無料で(注3)SIMロックの解除を行うものとする。
注3:事業者が無料でSIMロック解除可能な代替手続を設けているにもかかわらず、利用者の選択により店舗等での解除を行う場合には、事務手数料を請求することを妨げるものではない。また、既に自社の役務契約を解約した利用者について、店舗での解除を行う場合には、事務手数料を請求することを妨げるものではない。
ドコモの場合は「利用者の選択により店舗等での解除を行う場合には、事務手数料を請求することを妨げるものではない」に対応しているわけです。
ソフトバンクグループは,「既に自社の役務契約を解約した利用者について、店舗での解除を行う場合には、事務手数料を請求することを妨げるものではない」に対応していることになります。
というわけで,ドコモの対応が良すぎただけで,ソフトバンクグループの「店頭での手続きのみで有料」というのも,ユーザーにとってはうれしくはないですが,ガイドラインに反しているわけではありません。
ソフトバンクのSIMロック解除条件を確認
というわけで,ソフトバンクのSIMロック解除条件は,「中古端末販売店で購入 または 知人・友人などから譲渡されたソフトバンク製品をご利用中のお客さま」の場合は,ソフトバンクショップのみでの対応で有料(3,240円)です。
2015年5月以降に発売された機種(SIMロック解除機能を搭載したものに限ります)のSIMロック解除は、購入日(当社システムにて記録されている販売日など)より101日目以降の場合に受付可能です。
まず,SIMロック解除対象となるのは,ドコモなどと同じく2015年5月以降に発売された機種」です。
SIMロック解除機能を搭載した製品(2019年5月時点):2015年5月以降に発売の機種
iPhone | iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus |
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iPad | iPad mini(第5世代)、iPad Air(第3世代)、12.9インチiPad Pro(第3世代)、11インチiPad Pro、iPad(第6世代)、10.5インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro(第2世代)、iPad(第5世代)、9.7インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro(第1世代)、iPad mini 4 |
スマートフォン | Google Pixel 3a、Google Pixel 3a XL、AQUOS R3、Xperia 1、arrows U、LG K50、Android One S5、AQUOS R2 compact、HUAWEI Mate 20 Pro、AQUOS zero、Xperia XZ3、Google Pixel 3、Google Pixel 3 XL、HUAWEI Mate 10 Pro、Xperia XZ2、AQUOS R2、HUAWEI nova lite 2、DIGNO® J、シンプルスマホ 4、AQUOS sense basic、Android One S3、Xperia™ XZ1、AQUOS R compact、Xperia™ XZs、AQUOS R、HTC U11、AQUOS ea、DIGNO® G、Xperia™ XZ、STAR WARS mobile、AQUOS Xx3 mini、503LV、シンプルスマホ3、DIGNO® F、Xperia™ X Performance、AQUOS Xx3、AQUOS Xx2 mini、AQUOS Xx2、Nexus 6P、Xperia™ Z5、AQUOS CRYSTAL 2、AQUOS Xx、Xperia™ Z4、Galaxy S6 edge |
ケータイ | かんたん携帯10、AQUOSケータイ3、DIGNO® ケータイ2 for Biz、DIGNO® ケータイ2、Simply B、AQUOS ケータイ2、DIGNO® ケータイ for Biz、DIGNO® ケータイ、かんたん携帯9、AQUOS ケータイ、かんたん携帯8、COLOR LIFE 5 WATERPROOF |
タブレット | Lenovo TAB5、Lenovo TAB4、MediaPad M3 Lite s、Lenovo TAB3、MediaPad T2 Pro、Lenovo TAB2 |
モバイルデータ通信 | Pocket WiFi 802ZT、604HW、Pocket WiFi 601HW、Pocket WiFi 602HW、Pocket WiFi 501HW |
プロジェクター (モバイルシアター) |
モバイルシアター |
シンプルスタイル (プリペイド携帯電話) |
Simply、Libero2 |
iPhoneだと2015年9月25日発売のiPhone 6s以降,iPadなら2015年9月9日発売のiPad mini4,2017年3月24日発売のiPad(第5世代)以降ということになります。
中古端末販売店で購入 または 知人・友人などから譲渡されたソフトバンク製品をご利用中のお客さまの受付はお一人さま1日2台までとなります。
あと,中古端末や譲渡端末のSIMロック解除は「お一人さま1日2台まで」という制限があります。
ソフトバンクショップで受付の場合
- SIMロック解除機能を搭載した製品
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
- SIMロック解除手数料3,000円
ソフトバンクショップ店頭でのSIMロック解除に必要なものは上記の通りです。上記のSIMロック解除手数料は税抜きかと思われます。
ワイモバイルのSIMロック解除を確認
ワイモバイルも条件はソフトバンクとほぼ同等になります。
【中古端末販売店で購入 または、知人・友人等から譲り受けたワイモバイル製品をご利用中のお客さま】
※ワイモバイルでのご契約を解約したお客さまも含みます。上記注意事項(ワイモバイルでご契約中のお客さま向け)に加え、下記の条件を満たす必要があります。
※SIMロック解除受付は、ワイモバイルショップのみ
※受付はお一人さま1日2台まで
やはり中古端末や譲渡端末は,ワイモバイルショップ店頭のみで受付で有料(3,240円)です。なおかつ1日2台までの制限ありです。
My Y!mobileでSIMロック解除手続きができるのは,「SIMロック解除を行う製品を当社から購入し、現在、ワイモバイルでご契約中のお客さま」に限られます。
まとめ
ソフトバンクとワイモバイルのSIMロック解除は,「店頭のみ有料」という条件ではありますが,それでも多数流通するソフトバンクやワイモバイルの中古端末をSIMロック解除して使えるのことはユーザーにとって大きなメリットです。
実はソフトバンクは,2015年4月までに発売された機種についても,ソフトバンクショップでSIMロック解除を受け付けていました。
2015年4月迄に発売された機種(受付はソフトバンクショップのみ)
スマートフォン :BLADE Q+、301F、201HW、009Z、008Z
しかし,上記の機種名を見ていただければわかるように,非常にマイナーな機種ばかりでした。
SIMフリー端末は“需要がない”と孫社長–「実績として出ている」|CNET Japan
にもかかわらず,孫正義社長は上記の会見(2014年8月8日)で「SIMフリー端末は“需要がない”」と述べています。これはいかがなものかと思います。当時でも,iPhoneのSIMロック解除を受け付けていれば,多くのユーザーが利用したはずです。
その意味で上記の会見から5年も経ってようやく是正されたと言えます。総務省の指導は携帯電話業界(特に販売方法)に妙な言いがかりを付けてばかり…という印象がありますが,SIMロック解除についてはまともな効果をもたらしました。
auも2019年8月末にこっそりと中古端末のSIMロック解除を追加しています。ただし,ソフトバンクと同じく有料(税別3,000円)で店頭のみです。
そうそう、店頭なんてお互いに嫌な思いをするだけなんで、ネット上で無料ですればいいのにね
さつそく、ソフトバンクショップへ中古iphoneのシムロック解除に行ったのですが、今は混んでいるので一時間三十分後に出直してください。と言われた。とくに番号を渡されるわけてもなく、名前を聞かれるわけでもない対応ってありますか?普通。お客様も二人ぐらいで、混んでいるのでという感じではなかつたてす。
スマホ購入の時との違いにびつくりしました。
こんなキャリア、今月でやめることにしました。