ソフトバンクが半額サポート+(プラス)で端末単独販売
2019年9月9日に,ソフトバンクは半額サポート+(プラス)を発表しました。
加入条件
- 対象機種を48回割賦で購入すること。
- 半額サポート+に購入時点で申し込むこと。
※ 回線契約の有無を問わずご加入いただけます(2019年9月26日(木)より受付開始予定)。
回線契約とは関係なく,ソフトバンクが端末を単独販売するというもので,48回分割支払いで25ヶ月目に買い換えた場合,残債を免除されるというものです。
ただし,プログラム利用料が390円/月かかるので,この分を加味すると上記の図の通り純粋に半額にはなりません。
ちなみに,2019年9月12日までの旧「半額サポート」は,プログラム利用料(390円/月)がかかりませんでした。ソフトバンクユーザーには普通に改悪ですね。
「1年買い換えオプション」で2年未満の機種変更も可能
半額サポート+(プラス)は,基本的に48回払い(4年)で24回支払いまで(2年)の利用が基本とされていますが,それよりも短くても買い換えは可能です。
「1年買い換えオプション」では,13ヶ月目以降なら24回払いまでの差額を払えば買い換えを前倒しできるとのことです。
…しかし,機種代金の差額はともかく,プログラム利用料(390円/月)も24回目の分まで払わされるというのは,何となくしっくりきませんね。
25ヶ月目の買い換え時にスマホがボロボロになっていたら2万円お支払い
半額サポート+(プラス)を利用して,25回目の支払い時に「さて買い換え…」と思ったとき,スマホが上記のような状態だと,20,000円(不課税)を一括で支払わないといけません。
お客さまの割賦残債務が完済済みである場合または回収する旧機種が査定基準を満たしていないときにお客さまの割賦残債務が20,000円(あんしん保証パックwith AppleCare Services、あんしん保証パックプラスまたはあんしん保証パックにご加入の方は2,000円)以下の場合は、本特典を利用できません。
https://www.softbank.jp/mobile/campaigns/list/hangaku-support-plus/
ただ,残債(2年経ったときに支払わないと行けないお金)が2万円以下の場合は,実費でOKです(当たり前ですが)。
製造番号(IMEI)を当社が確認できない場合は、20,000円(不課税)の支払いの有無に関係なく、本特典を一切利用できませんのでご注意ください。
製造番号(IMEI)を確認できないと一切駄目だそうです。これは購入直後に転売して,2年後に中古端末を仕入れて適用というワザを防止しようとしているんでしょうね。
端末単独販売は2万円ルールをクリアするための方便
なぜ,ソフトバンクが回線の契約を伴わない端末販売施策を打ち出したのか。それは上記の「モバイル市場の競争環境に関する研究会(第15回)/ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの検証に関するWG(第13回)合同会合」配付資料にある「利益の提供の禁止」に従うためです。
上記の資料に「2万円(税抜)を超えるものを禁止」とありますが,これは「通信役務の利用及び端末の購入等を条件として行う利益の提供」とされています。
つまり,端末購入を条件としない端末単独販売であれば規制なしという解釈なわけです。
端末単独販売です!(キリッ)…でもSIMロック解除はありまぁす
このソフトバンクの半額サポート+(プラス)が端末単独販売だというのは実は「形だけ」です。総務省の言いなりになったポーズに過ぎません。
そもそも半額サポート+(プラス)は,上記の図の通り48回分割支払いを前提にしています。
- 対象機種を48回割賦で購入すること。
- 半額サポート+に購入時点で申し込むこと。
この二つが半額サポート+(プラス)の必須条件ですね。
しかし,ソフトバンクのSIMロック解除の条件は,
2015年5月以降に発売された機種(SIMロック解除機能を搭載したものに限ります)のSIMロック解除は、購入日(当社システムにて記録されている販売日など)より101日目以降の場合に受付可能です。
https://www.softbank.jp/mobile/support/usim/unlock_procedure/
基本的にSIMロックがかかっていることが前提で,
製品の分割支払金/賦払金を一括精算した場合や、製品を一括購入された場合は、機種購入日から100日以内でも受付可能です。ただし、下記キャンペーンを利用して購入した製品の場合、機種購入日より100日間は、SIMロック解除のお手続きができません。
- 一括購入割引
- 機種購入サポート
https://www.softbank.jp/mobile/support/usim/unlock_procedure/
分割支払いの場合は,一括精算しないと100日以内のSIMロック解除はできません(101日目以降は可能ですが…)。
ということは,
ということになります。馬鹿にしてますよね。
一応,ソフトバンク回線を用いた格安SIM各社(LINEモバイル,nuroモバイルmmineoなど)は,SIMロック解除なしでも使えます。
しかし,普及度合いから考えてそんな人はまずいないでしょうし,ソフトバンクショップで半額サポート+(プラス)で購入して,そのままソフトバンクで利用するということになるでしょう。何この茶番。
しかも,ソフトバンクの回線契約がないと,My softbankでのSIMロック解除はできませんので,店頭で有料(3,000円税別)を支払ってSIMロック解除しないといけません。これで端末単独販売…ねぇ…。
まとめ
ソフトバンクの半額サポート+(プラス)は,端末単独販売をうたいながらSIMロック解除は100日させないという理不尽なシステムになっています。
というわけですね。
ソフトバンクにしてみれば,
という言い分を与えたことになります。ほんと総務省,ろくなことしませんね…。
一時は総務省の指導でつぶされた36回以上の長期分割支払いを,むしろ総務相自身が後押ししたような形になってしまっています。ユーザーにとって極めて不利益な施策と言えます。
さて,ドコモやauはこのソフトバンク方式に追随するのでしょうか?2019年10月1日移行の規制後はどうなるのでしょうか?