平成29年1月から確定申告の所得税クレジットカード支払いが始まりました
ご存じの方も多いと思いますが,平成29年1月から確定申告の所得税クレジットカード支払いが始まりました。今回,初めて「申告所得税及復興特別所得税」のクレジットカード納付に挑戦してみたのでレポートしてみたいと思います。
最寄りの 税務署に行ってきました
サラリーマンでも,本業の給与所得以外の副収入が20万円以上ある人は確定申告が必須です。「副収入が20万円未満なら確定申告不要」と思っている方も多いようですが,不要と決まっているのではなく「それぐらいの額ならお互いに労力がかかるので省略しましょう」ということだそうです。この辺の解釈は専門のサイトでお調べ下さい。
さて,e-Taxであれば自宅で済むのですが,なんとなく「ICカードリーダーを購入してまではなぁ…」と,毎年1回のことだと思い,税務署に通っておりました。今年も行きました。ICカードリーダーといえば,FeliCaの生みの親であるSONYがオススメですかね。
そうして,今年も自宅で確定申告書を作成し,税務署に持って行きました。
【平成31年1月開始】e-Tax利用の簡便化に向けて準備を進めています
<ID及びパスワードによるe-Tax利用(ID・パスワード方式)>
マイナンバーカード及びICカードリーダライタが未取得の方については、厳格な本人確認に基づき税務署長が通知したe-Tax用のID・パスワードによる電子申告を可能とします(注1)。○ 厳格な本人確認は、税務署における職員との対面などにより行います(注2)。
○ メッセージボックスの閲覧には、原則として電子証明書が必要となります(注2)(注1) マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応(導入後、概ね3年を目途に見直し)として行います。
(注2) なりすまし対策やセキュリティ対策の一環として行います。http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_290510_kanbenka.htm
そして,申告書を提出したとき,上記のような説明の紙をいただきました。あくまで暫定的な措置ですが,マイナンバーカードとICカードリーダーが普及するまで「ID及びパスワード」だけで,e-Taxが利用になったとのことです。
- <マイナンバーカードによるe-Tax利用(マイナンバーカード方式)>
- <ID及びパスワードによるe-Tax利用(ID・パスワード方式)>
ただ,この「<ID及びパスワードによるe-Tax利用(ID・パスワード方式)>」は,あくまで暫定的な措置で,e-Taxを使用する人へのハードルを下げるという目的のための措置ということで,国税庁としては「<マイナンバーカードによるe-Tax利用(マイナンバーカード方式)>」をオススメしているそうです。
マイナンバーカード方式でも,ID・パスワードが不要になったということで,確かに簡便化されています。ただし,ICカードリーダーが必要なのは変わっていません。
厳格な本人確認は、税務署における職員との対面などにより行います
というわけで,今回上記の通り,税務署職員対面での場合のみ,ID・パスワードを発行していただけるということでしたので,住所・氏名などの必要事項をPCに入力して,<ID及びパスワードによるe-Tax利用(ID・パスワード方式)>のID・パスワードを発行してもらいました。来年はこれをやってみます。
確定申告による申告所得税及復興特別所得税のクレジットカード納付の手続きについて
さて,本題です。クレジットカード納付とは,インターネット上でのクレジットカード支払いの機能を利用して,国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ,国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続きです。
マイルやポイントを貯めている私たちにとっては,この発表当時,「マイルやポイントもらえるなら,クレジットカード支払いは魅力的?!」と色めき立ったものです。しかし…
なんと,指定業者(トヨタファイナンス株式会社)を通すため,10,000円あたり82円(0.82%)の決済手数料(税込)を避けることができないことに気づき,一気にトーンダウンしたわけです。
しかも,一般的なクレジットカードの還元率が1.0%であるのに対し,アメックスだと国税の納付は0.5%になってしまいます。
そうなると,現時点で最強の還元率を誇るSPGアメックスでも,
- 10,000円利用=50スターポイントで82円決済手数料(例:10万円納付なら820円で500スターポイント)
ということになり,82円で50スターポイントのバイポイントと同様ということになるわけです。確かにスターポイントは,シェラトンやマリオットなどのホテルで1スターポイント=3円を上回る使い方ができたり,
もしくは,20,000スターポイントを一気に交換すれば,各社の25,000マイルに交換可能(1.25%)で,そのマイルも国際線ビジネスクラスやファーストクラスなら,1マイル=3円~10円で利用可能となると,バイマイルとして検討の余地はあります。
特に134%になるスターポイント→マリオットリワード→マイレージプラスは魅力的ですね。
しかし,それでも82円=50スターポイントというのは「銀行振込よりはマシだけど…」という印象をぬぐえません。これだと,VISAやJCB,masterなど1.0%還元のクレジットカードを使った方がおトクですね。
それでも,私がなぜ所得税のクレジットカード納付にしてメリットがあると考えたのかご紹介したいと思います。
クレジットカード利用条件クリアのためなら意味がある
実は私はちょうど,2017年末にANA VISA nimocaカードを発行して,新規入会キャンペーンにチャレンジ中だったのです。
ANA VISA nimocaカードでは,100万円以上の利用で1,500ワールドプレゼントポイント(6,000円支払って10ポイントコースにすれば,ANA15,000マイルに交換可能/6,000円支払わないと5ポイントコースで7,500ANAマイルに…)もらえるのです。
そして,今回の所得税の納税額を足すと…うーん,なんとか利用額が100万円いきそう!こんな場合には,82円=100ワールドプレゼントポイント(三井住友カードVISAカードは,国税でも1.0%還元)ですし十分に割に合うと考えるわけです。
クレジットカードを利用してマイルを貯める方法のまとめは,上記の記事に詳しくまとめています!ぜひ,ご一読下さい。
国税クレジットカードお支払サイトはこちら
というわけで,税務署で「クレジットカードでの納付を希望します!」と張り切って告げたところ,申告書を受け取って下さったおじさまは少し引き気味で「どうやるんだったかな?」という感じでした。まだ浸透していない感じ…。
そこで,「奥のあちらの方に納付コーナーがあるので,そこの税務署員に聞いて下さい」と誘導されました。そちらに行ってみて同じく「クレジットカードでの納付を希望します!」と張り切って告げたところ,1枚のチラシを取り出して,「クレジットカード納付は,ご自身でインターネットでやっていただくことになってるんですよ」と申し訳なさげな説明。いえ!それで結構です!とチラシをもらって帰宅しました。
ご利用に当たっての注意事項
- 領収証書は発行されません。領収証書が必要な方は、最寄りの金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付してください(窓口ではクレジットカードによる納付はできません。)。
- クレジットカード納付は、国税庁長官が指定した納付受託者に立替払いを委託する手続です。クレジットカード納付については、国税通則法により、納付手続が完了した日をもって延滞税や利子税を 計算することとなっておりますので、法定納期限内に当サイトにおいて納付手続が完了していれば、クレジットカード利用代金の引き落とし日が法定納期限よりも後になった場合でも延滞税等は発生しません。
なお、法定納期限後に当サイトでの納付手続を行った場合には、延滞税等が発生することがあります。- 当サイトにおいて納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません(誤って納付手続をされた場合は、後日税務署から還付等の手続を行うことになりますので、所轄の税務署へご連絡ください。)。
- 納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできません。
クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合があります。- 納付税額に応じた決済手数料がかかります(最初の1万円までは76円(消費税別)、以後1万円を超えるごとに76円(消費税別)が加算されます。)。
また、分割払い・リボ払いの場合は、別途各カード会社の定める手数料が発生する場合がありますので、ご利用の前にカード会社へお問い合わせください。
なお、決済手数料は国の収入になるものではありませんので、誤って納付手続をされた場合、還付等の対象にはなりません。
サイトによると,注意事項は上記の通りです。いきなり字が細かいですね。
このサイトには,上記のような決済手数料の試算ツールも組み込まれています。純粋に0.82%ではなく,区間区切りなので,○万円ちょうどがもっともコストパフォーマンスが良いです。
ご利用いただける税目
今回,わたしは確定申告に伴う「申告所得税及復興特別所得税」でしたが,実は他の税目もクレジットカード決済可能です。上記にお心あたりのある方は覚えておきましょう。
ご利用いただけるカード
メジャーどころは手堅く押さえています。これで困ることはあまりないでしょう。
確定申告での所得税の納付に必要な入力項目はこちら
確定申告での所得税の納付に必要な入力項目はこちらです。ごく一般的なフォームで,困るとこるはないと思います。
唯一引っかかるとすれば,「整理番号(半角数字8桁)」ですね。これは,前年度など確定申告前に,税務署から確定申告書の案内が届いている方のみに付与される番号です。届いてない人は空欄で構いません。
クレジットカード情報の入力
さて,必要事項を記入したら「次へ」を押します。すると,2ページ目には1ページ目で入力した内容の確認と,末尾に上記の「クレジットカード情報」の入力画面が出ます。ポイントを貯めたいクレジットカード情報を入力しましょう。
3ページ目に進むと,すべての情報を確認してオレンジ色の「納付」ボタンを押すだけです。カンタンですね!
「納付手続の完了」ページは印刷して保存しましょう&確認メールも来ます
「納付手続の完了」ページは上記のようなものです。PDFや印刷物で保存しておきましょう。
クレジットカード納付 ご利用者様
次の内容の納付手続を受け付けました。
なお、後日、内容確認のため、税務署の担当職員から
ご連絡させていただく場合がありますので、ご了承ください。本メールは送信専用のため、直接ご返信いただいてもお問い合わせには
お答えできませんのであらかじめご了承ください。
クレジットカード情報入力のところで,「納付手続確認メール」を登録しておけば,メールでもほぼ同内容の上記のようなメールが届きます。文言が微妙にコワイですが…。
まとめ
さて,本記事では確定申告の体験談をお届けしました。
- 【平成31年1月開始】e-Tax利用の簡便化によって,<ID及びパスワードによるe-Tax利用(ID・パスワード方式)>が導入され,ICカードリーダーがなくても,e-Taxが利用可能に!(ただし,マイナンバーカード&ICカードリーダー普及までの暫定措置:概ね導入後3年を目安)
- 【平成29年1月4日開始】インターネット上でのクレジットカード支払いの機能を利用して,国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続きが可能に
以上の二つが可能になっていました。いろいろと時代は変わりますねぇ。
まず一つ目の「ICカードリーダー不要でe-Tax利用可能に」です。
暫定措置とはいえ,納税者に一方的な負担を強いるICカードリーダーが不要になるのは良い試みだと思います.
次に二つ目の「国税のクレジットカード支払い」です。
決済手数料が,10,000円に付き82円というのは高すぎますし,せめて○万円以上は一律にして欲しいものですが,とりあえず始めたことは評価しておきたいと思います。
本記事のように,クレジットカード利用条件のあるキャンペーンなどでは一考の余地があると思いますし,選択肢は多い方が良いです。
最後のnanacoの話が気になったので調べて見たところ詳しく書いてあるブログを見つけました。
何故か英語で書いてあるのですが。(日本語もありました)
https://www.siklejapanpoint.work/entry/2019/02/16/135256
約20万の確定申告の予定があるのですが、是非nanaco経由でやってみようと思います。
キッカケを下さってありがとうございます。
もにもにた様
はじめまして。いつも参考にさせていただいています。
文中の記載内容について、教えて下さい。
「ANA VISA nimocaカードでは,100万円以上の利用で1,500ワールドプレゼントポイント(ANA VISA ワイドゴールドカードを持っていれば,ANA15,000マイルに交換可能/ANA VISA nimocaカードしかないと7,500ANAマイル)もらえるのです。」と、あります。
私もワイドゴールドを持っています。同じチャレンジを行っていますが、nimocaカードの1500ワールドプレゼントポイントを交換する際は6000円を支払って5マイルコースを10マイルコースに変更してから交換すると15000ANAマイル獲得可能と認識しています。
ワイドゴールドカードを所持していれば6000円支払う必要がないのでしょうか。ご教示ください。
はーちゃんさま
コメントありがとうございます。これは私の勘違いだったようで,はーちゃんさまの認識通り,ANA VISA nimocaカードの場合は6,000円支払って10マイルコースにしないと,15,000ANAマイルにできません。先ほど実際に試してみたところ,nimocaから入るとゴールドの10マイルコースは選べませんでした。記事を修正しました。ご指摘ありがとうございました。