小さいPCが好きな方々へ贈るGPD POCKETレビュー
みなさんは「小さいPC」というと何を思い出しますか?ここら辺は世代間がすごくハッキリと出てしまいますので,ちょっと慎重に答えた方が良いかもしれません。
東芝、Pentium 100MHz搭載の「Libretto 60」を発売
私にとっては,やっぱり「小さいPC」というと,東芝のLibrettoですね。上記の記事は,1997年6月24日発売のLibretto 60です。上位モデルは,当時258,000円!高嶺の花でした。210mm×115mm×34mmで850グラムでした。…いま考えると,言うほど軽くないですね。
IBM版チャンドラ2「ThinkPad 235」、Windows 98搭載Aptivaなど
あとは,ThinkPad 235なんかも思い出深いですね。1998年7月25日発売です。後継機のThinkPad 240を愛用していました。235.2mm×173.2mm×33.7mmdで,重量1,250グラムだったとのこと。いま思えば,B5型ノートPCにしては重めですらあります。トラックポイントが,今回のGPD POCKETを思い起こさせます。
そして,こちらはかなり世代が新しくなり,わかる人も多いのではないでしょうか。2009年6月発売のViao type Pです。240mm×120mm×9.8mmで588グラムと,いまでも「小さいPC」好きの方々に根強いファンがいます。私も所有していましたが,Atomのモッサリ感との闘いでした。
UMPCを忘れられないあなたへ 超小型パソコン『GPD Pocket』を日本でも | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)
そして,「小さいPC=UMPC(っていうのも新しい言い方ですけどね)を忘れられないあなたへ」というキャッチフレーズで,深圳(中国)のGPD社が開発したのが,GPD POCKETです。
もともとは,アメリカのクラウドファンディング「Indiegogo」で募集が始まり,募集額の1520%オーバーとなる318万2160米ドル(約3億5千万円)の調達に成功したことで話題になりました。
日本でも,Makuakeによりクラウドファンディングがおこなわれ,1943%の97,191,360円を集めました。スゴイ注目度です。
とはいえ,現在はAmazonなどでも普通に購入することが可能です。私もAmazonにて「GPD公認-正規販売店」というデントオンラインショップで購入しました。
私が買ったときの特典は,オリジナル収納バッグだけでしたが,いまはLenovo純正ロープロファイルトラックポイントもセットになるようでおトクですね。いまなら注文後,数日で届くようです。
GPD POCKETのスペック
スペック | |
---|---|
OS | Windows 10 Home |
SoC | Intel Atom Z8750 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128Gbyte (eMMC) |
ディスプレイ | 7型(1920×1200)gorillaGlass3 タッチパネル |
Wi-Fi | 802.11a/ac/b/g/n Wlan,2.4/5GHz Dual-band |
端子 | USB Type-C |
USB-A(3.0) | |
MicroHDMI(Type D) | |
ヘッドセット端子 | |
バッテリー | 7000mAh |
サイズ | 180mm×106mm×18.5mm |
重量 | 480g |
その他 | トラックポイント |
SDスロット非搭載 |
180mm×106mm×18.5mmで480グラムに心ひかれます。しかも,同じAtomとはいえ,Vaio Type Pとは格段に世代の違うまともに動くであろうCPU,メモリ8GB,ストレージ128GB,タッチパネル仕様となっており,「これ…使えるのでは?」と思わせてくれます。
そして,変則的とはいえ,キーピッチ16mmというしっかりしたキーボードが売りです。私の主な用途は,なんといってもブログ更新ですので,キーボードは超重要です。もちろん,スマホでもブログ更新は可能ですが,HTMLカラーコード編集をしたいとか画像の加工をしたいとなると,やはりPCが欲しい!となるのです。
…というのは,すべて言い訳で,やはり「小さいPC」にあこがれるオッサン世代のDNAが色濃く出ているという話もあります。
GPD POCKET開封の儀
というわけで,Amazonで買ってしまいました。私が2017年7月25日に注文したときは,64,800円でしたが,現在はLenovo純正ロープロファイルトラックポイントもセットで,もっとお安くなっているみたいですね。うらやましいです!
ちなみに,AmazonでもGPD POCKETの販売店はかなり増えているようですが,私は「GPD公認-正規販売店」を謳うデントオンラインショップで購入しました。間違いなく,新品が届きました。
みなさんも購入ショップについてはお気をつけください。Amazonマーケットプレイス詐欺も横行していますので…。下記,体験談です。よろしければどうぞ。
パカーンと上蓋を跳ね上げるとこんな漢字です。塗りつぶした部分には,Windows10のシリアルナンバーが書かれています。
内容物は上記の通りです。GPD POCKET本体,ACアダプタ,Type C-Type Cケーブル,イヤホンです。
ACアダプタとType C-Type Cケーブルです。電流と電圧さえチェックすれば,市販品でも使えるでしょうね。一般的なノートPCに比べると,圧倒的に小さくて軽いのでありがたいです。
ACアダプタとケーブルで,実測値で80グラムです。軽いは正義!
イヤホンは,iPhoneなどに標準で付いてくるear podsとそっくりです。私は使わないですかね。
説明書と液晶保護フィルムです。液晶保護フィルムは,セカンドロットから付かなくなったという話もありますが,付いてました。復活した模様です。私はたぶん使いませんが。
説明書は英語・中国語・日本語の三カ国語併記です。とはいえ,情報量は極めて少ないシンプルなものですので,ネットで検索した方が早いと思いますが。
GPD POCKET本体の外観とセットアップ
いよいよGPD POCKET本体のお出ましです。手に取ってみた感覚は「小さな」というのが正直なところです。ほんと小さいです。
新書と重ねてみました。幅はほぼ同じ。高さだけが,ちょうど1センチほどはみ出る感じです(新書のセレクトについてはご放念ください…)。
開いてみるとこんな感じです。
また新書をキーボード部分に載っけてみました。キーボードのサイズ感が理解できるかと思います。
キーボードです。キーピッチ16mmは正義です。ただし,フットプリントには限界があるため,いろいろと犠牲になっているキーが多々あります。この特殊なキー配置を許容できるかどうかが鍵です。
多くの人が指摘するのが,「BSキーと,Delキーの位置が反対だろ!」というものです。私もそう思います。なんでこういう配置にしたんでしょうか?
「Change Key」非常駐型でフリーのキー配置変更ソフト – 窓の杜ライブラリ
どうしても気に入らない人は,Windows10でも動作確認済みの「Change Key」なんかを使うといいのではないでしょうか。私は慣れてみようかなぁと思ってます。
そして,重量を実測してみました。497グラムでした。カタログ値よりは若干,重いと言うことにはなりましたが,Windows10がフル機能で動くノートPCが497グラム…「小さいPC」愛好家としては感激です。
セットアップに関しては,一般的なものでした。ライセンス契約の確認のあとに,ネットワーク(Wi-Fi)への接続の設定を求められます。再起動ののち,Microsoftアカウントでサインインとなります。
というわけで,セットアップ完了です。サイズ感の比較のために,auのガラケー(GRATINA)を並べてみました。奥行きはガラケーの長さとほぼ同じなんですね。非常にコンパクトです。
右サイドです。奥からUSB-A(3.0),ヘッドセット端子,MicroHDMI(Type D),USB Type-Cの4つが並んでいます。充電はUSB Type-Cですので,できれば一番奥にして欲しかったですね。ただ,USB-A(3.0)が一つとはいえ使えるのはありがたいです。
左サイドは何も端子がありません。また,液晶の開き具合の限界は上記の通り,150度ぐらいでしょうか。かなり倒れますが,ヒンジ部の設計の関係でフラットにはなりません。
底面は4つのゴム足が付いています。ライセンスマークが並ぶ一番左に,技適マークがあります。これは安心ですね。
総務省 電波利用ホームページ | 技適マーク、無線機の購入・使用に関すること
半角/全角キーがないので「Shift+Caps」か「Alt+~」で代用
たいていのキー操作はキーボードを見ればわかるのですが,唯一,困ったのがアルファベットとローマ字入力の切り替えです。見ての通り,GPD POCKETのキーボードには左上に「半角/全角キー」がありません。
ググって調べてみたところ,アルファベットとローマ字入力の切り替えは「Shift+Caps」か「Alt+~」で代用できることがわかりました。これだけは覚えておきましょう。トラックポイントでの切り替えは面倒すぎます。
バッテリーの持ちをチェック
バッテリーを100%まで充電して,YouTubeの連続再生にチャレンジしてみることにしました。「電源とスリープの設定」でバッテリー使用時の「ディスプレイの電源を切る」を「なし」,「PCをスリープ状態にする」も「なし」,「退席中であることをデバイスが認識しているときに電力を節約する」も「オフ」にして試してみました。
YouTubeで再生したのは,映画です。音声はOFFにして実験をしました。
2時間経過後,バッテリー残は76%でした。12%/時の消費ですね。
4時間経過後,バッテリー残は52%です。同じく12%/時の消費です。
7時間経過後,バッテリー残は20%となりました。12%/時であれば,16%になっているはずですが,計測時間が少し早めだったので誤差の範囲でしょう。
バッテリーが落ちる瞬間を見逃したのですが,おおよそ21時過ぎに電源が落ちたようです。8時間ちょっとですので,12%/時でほぼ間違いなさそうです。YouTubeの連続再生(音声OFF)の場合,購入直後のコンディションで8時間ちょっと持つようです。十分ではないでしょうか。
トラックポイントを赤いThinkPad用に交換
GPD POCKET純正の青いトラックポイントは,めちゃくちゃ使いにくいって分けではないのですが,ちょっとツルツルして滑る感じがあります。Lenovo純正ロープロファイルトラックポイントに交換可能ですので,交換をオススメします。
上記の左がGPD POCKET純正,真ん中がLenovo純正ロープロファイルトラックポイント,右がLenovo純正スーパーロープロファイルトラックポイントです。右のは穴の大きさが違いますよね。なんでこんな写真があるかというと…。
うっかり間違って,Lenovo純正スーパーロープロファイルトラックポイントを買っちゃったんです。
間抜けですねー。みなさんはお気をつけください。
正しいのはこちらです。Lenovoショップだと,ほぼ同じ値段で10個入りだそうです。
ケースは7インチタブレットのものがピッタリ
ケースは「オリジナル収納バッグ」が付いてくるはずだったのですが,入ってませんでした。あとから送られてくるのかな…ちょっとわかりません。
基本的なサイズ感としては,7インチタブレットのソフトケースがピッタリです。ちょっと家にあった古いケースに入れてみました。定番の「サンワサプライ タブレットスリップインケース PDA-TABS7」です。
このようにすっぽり角まで入ります。
もう一つ,ドロイド君がプリントされた7インチタブレットのケースがありました。これにも入れてみます。
ピッタリですね。どちらを使ってもOKという感じです。もし,端っこが見えているのが気になる場合は,ファスナー付きのケースが良いかもしれません。
Amazonベーシックのスリーブケースなんかどうですかね。安いですし。
<Amazonベーシックスリーブケース内部寸法>
7inch : 約19.0×13.4×1.0cm (横x縦x厚)
<GPD POCKET>
180×106×18.5mm
GPD POCKETは厚みがかなりありますが,その分,縦に余裕がありますので,すっぽり入るんじゃないかなと思います。
まとめ
GPD POCKETは「小型でも驚きのスペック」といううたい文句通り,十分に使える「小さいPC」であると言えます。
いかにスマホが進化したとはいえ,「PCでないとできないこと」があるのも事実です。480グラムという軽量で,16mmというキーピッチを確保し,YouTube連続再生8時間に耐えうるGPD POCKETは,持ち運びPCとして十分ではないでしょうか。
なんといっても,「小さいPC」にあこがれる世代にとっては,Vaio Type P以来の魅力的なガジェットと言えます。いまどきらしく,タッチパネルですしね。価格的にも6万円台半ばと手が届かない金額ではありません。金属筐体で質感も高いです。
あちこちに一緒に連れて行きたいと思います。みなさんもいかがでしょうか?いまならAmazonで気軽に購入可能です!
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