マイルを貯めるならANA?JAL?どっち?
今までは,「JALマイルよりもANAマイルの方が貯めやすい」というのが常識でした。しかし,下記のような様々な改悪もあり,いまや必ずしもそうは言えない状況になっています。
- JALマイルはドットマネー経由で52%交換
- ANAマイルはドットマネー→Tポイント経由で50%交換
- 2017年6月1日から,モッピーのドリームキャンペーンが始まりJALマイル80%交換が可能に
- 2018年3月31日をもって,ドットマネーやPeXからメトロポイントへの交換停止しANAマイル90%交換→81%交換にダウン
新ソラチカルートが81%交換にダウンして,JALマイルとANAマイルとの貯めやすさは拮抗することになりました。ぜひ,モッピーのドリームキャンペーンを利用したJALマイルにもご注目下さい。
PeXからANAマイルへ(新ソラチカルート)
先にANAマイルの交換から解説します。上記が2018年4月1日からの新ソラチカルートです。LINEポイントを経由する必要があります。
現金にして10,000円の価値があるPeX100,000ポイントを,8,100マイルに交換することができます。81%という交換率は素晴らしいのですが,ちょっと交換回数が多く複雑です…。
ドットマネーからJALマイルへ
一方で,JALマイルの交換についてです。一般的には最大でもドットマネーからJALへ直接交換で52%です。現金にして10,000円の価値があるドットマネー10,000円分は,5,200マイルにしかなりません。
この差がそのまま「ANAマイルの貯めやすさ」と「JALマイルの貯めにくさ」となるのです。
ソラチカルートには弱点も
ところで,81%でANAマイル化が可能なソラチカルートにも弱点があります。それは,毎月20,000ポイント(18,000マイル)という上限があるという点です。それで,多くのサイトで,年216,000マイルの貯め方!という表現になるのです。
本サイトでも,ANAマイルの貯め方として。ポイントサイトを有効活用する方法を下記の記事で詳細に紹介しています。
ポイントさえ貯まれば,最後の交換先を81%のANAマイルではなく,敢えて52%のJALマイルにするのも,手段としては「あり」です。
ドットマネー→JALマイルには月上限がない
ソラチカルートを使わず,ドットマネーからJALマイルに交換する場合は,月の上限はありません。
ドットマネー500ポイントが260JALマイルですので,52%の交換率となります。
上記はドットマネーからJALマイルへの交換画面です。最大は100,000ポイントを52,000マイルに交換する選択肢があります。しかし,月上限があるわけではありませんので,これを何回も繰り返せば,無限に交換可能です。ポイントが無限にあれば…ですが。
ドットマネー→ANAマイルは28.3%なので絶対ダメ!Tポイント経由で
実はドットマネーからANAマイルに直接交換可能です。この場合,月上限はありません。しかし,なんとドットマネー300ポイントが,85ANAマイルにしかなりません。このときの交換率は,たったの28.3%です。これは大損です。
ANAマイル化を上限なしでおこなう場合には,Tポイントを経由しましょう。ただ,それでも交換率は50%です。81%のソラチカルートがいかに破格かわかります。
2018年8月31日まで限定でモッピールートが!実質80.0%でJALマイル!
この流れだと「JALマイルよりもANAマイルの方が貯まる」となりそうなのですが,2017年6月1日にJALマイルの貯め方に革命が起きました。JALマイルへの交換が実質80%となるモッピールートが開通したのです。
期間限定で始まったのですが,なんと2018年8月31日までの延長が決定しており,すでに1年ものロングランキャンペーンとなりました。
2018年8月31日までの限定ではありますが,このモッピールートこそが最強のJALマイルのため方になります。
上記のように,12,000ポイントで6,000JALマイル+5,000ポイントバックなので,実質80.0%でJALマイルに交換可能なのです!期間限定ですが,JALマイルを貯めるのであれば,これが最強の方法となります。
改めてJALマイルとANAマイルの貯まり方を比較してみましょう
もう一度確認しておきます。効率的なマイルの貯め方は下記の2パターンとなります。
JALマイルはモッピールートで80%
ANAマイルは新ソラチカルートで81%
JALは80%(期間限定のモッピールート限定),ANAは81%(ただし月20,000P上限)となります。ただし,上記を比較すると一目瞭然ですね。交換回数という手間が違います。
JALマイルを貯める価値はあるのか?マイルを使う観点から考察
では次にANAマイルではなく,敢えてJALマイルを貯める価値はあるのか?マイルを使う観点から考察してみることにしました。
JAL | ANA | |||
---|---|---|---|---|
必要マイル | ポイント原資 | 必要マイル | ポイント原資 | |
東京-那覇 | 15,000 | 28,846 | 18,000 | 20,000 |
東京-札幌 | 15,000 | 28,846 | 15,000 | 16,667 |
東京-ハワイエコノミー | 40,000 | 76,923 | 43,000 | 47,778 |
東京-ハワイPエコノミー | 60,000 | 115,385 | – | – |
東京-ハワイビジネス | 80,000 | 153,846 | 68,000 | 75,556 |
東京-ハワイファースト | 100,000 | 192,308 | – | – |
東京を起点として,那覇,札幌,ハワイの特典航空券を取得すると上記のマイルが必要となります。そして,「ポイント原資」は,JALなら52%,ANAなら90%で計算したそれぞれのマイルを貯めるための必要ポイント数です。
JALとANAの「ポイント原資」の差は,かなり大きいことがわかります。国内線でも10,000ポイント前後,東京-ハワイのビジネスクラスだと,約8万ポイントも差があります。
ただ,これだけポイントが必要なJALでも,実はマイルの価値は十分に高いのです。
- 東京-那覇:約5万円(約10万円)
- 東京-札幌:約4万円(約8万円)
- 東京-ハワイエコノミー:約14万円(約22万円)
- 東京-ハワイビジネス:約32万円(約77万円)
上記は2018年8月1日発の往復の割引運賃です(括弧内は普通運賃です。特典航空券は変更可能なので普通運賃並の価値があるとも言われています)。JALのポイント原資が大きくとも,1マイルの価値は2~3円となっています。ANAだと3~10円ですね。
このように,ソラチカルートのあるANAに比べると,JALはものすごくポイント原資が必要で損のように思いますが,実はポイントサイトのポイントを現金に換えるのに比べれば,JALマイル化は十分にお得で「あり」だとも言えます。
JALマイルを貯めるメリットとは
これまで説明してきたように,「JALとANAのどちらのマイルを貯めるべきか?」という観点でいえば,貯まりやすいANAをオススメします。しかし,「JALとANAの両方を貯める」というのも「あり」だと思います。
私のJALマイル
私のANAマイル
実際,私はJALとANAのマイルを並行して貯めています。そのメリットはどこにあるのでしょうか?
先ほどJALとANAの比較で示したように,JALマイルの東京-ハワイ間の特典航空券では,ANAでは発行できないプレミアムエコノミーとファーストクラスがあるのがわかります。もちろん,設定があるとはいえ, 特典航空券によるファーストクラスの予約は簡単ではありませんが,この点だけでも夢があります。
JALマイルでエミレーツ航空のファーストクラス発券がお得
さらに,JALマイルを使って,ワンワールドの提携航空会社であるエミレーツ航空のファーストクラスを発券するというワザもあります。エミレーツ航空の航空券をJALマイルで発券する場合,出発地から目的地への総距離(キロではなくマイル)で決まります。8,001~14,000マイルの区間がお得です。
日本からの往復の飛行総距離 | エコノミー | Pエコノミー | ビジネス | ファースト |
---|---|---|---|---|
8,001~10,000マイル | 40,000 | 52,500 | 65,000 | 105,000 |
10,001~12,000マイル | 50,000 | 65,000 | 80,000 | 135,000 |
12,001~14,000マイル | 55,000 | 70,000 | 85,000 | 155,000 |
たとえば,ドバイ~ニューヨークの場合,往復で13,706マイルとなり,155,000マイルでファーストクラスの特典航空券が発券可能です。東京~ハワイ間(7,662マイル)が100,000マイルであることを考えると,距離が約2倍なのに,55,000マイルしか差がない点が注目です。
家族4人分の特典航空券が取れないならJAL&ANAで2人分ずつ発券
もう一つ,ANAだけでなく,JALのマイルも平行して貯める理由として,特典航空券の複数確保という目的もあります。私は2016年にANAのプラチナを達成し,SFCを発行しました。
また,2017年にはJALのサファイアを目指して,JGC修行にも取り組みました。
これらの活動の目的は,ラウンジ利用など他にもいろいろありますが,最大の目的は特典航空券の優先確保です。
ただし,SFCやJGCを取得したからといって,思い通りに特典航空券が取れるわけではありません。ましてや,家族4人分の確保となると,かなり困難が予想されます。そんなときに,JALとANAで2席ずつ確保するという可能性を残すために,ANAマイルに加えてJALマイルも貯めています。
ちなみに,ANAでは特典航空券でビジネスクラス3人以上は難しいのですが,JALだと3人が可能だということを,はにゃお(id:hanyao)さんが書かれています。非常に読み応えのある記事ですので,ぜひどうぞ。
ともあれポイントサイトの活用が重要です
長々と述べてきました。貯まりやすいのはANAマイルですが,JALマイルも並行して貯める価値はあります。ただし,モッピールート以外ではポイント原資から52%になりますので,1マイル=2円以上で使うことを目指さなければいけません。
また,52%交換となると,ポイントもたくさん必要になりますので,ポイントサイトの活用が不可欠です。クレジットカード発行,FX口座開設&使用がメインになります。詳しくは下記の記事もご参照ください。
クレジットカード使用で「も」JALマイルを貯める
また,クレジットカードを使ってJALマイルを貯めるというのは,ポイントサイト活用に比べると貯まるのに時間がかかりますが,ポイントサイト活用と並行しておこなうのはありです。JALマイルが貯まるJALカードの比較は下記の記事でしています。
ただし,「JALカードの使用だけでJALマイルを貯める」は,本当に遠回りなのでお気を付けください。ポイントサイトの活用との並行が重要です。
JALカードのショッピングでマイルを貯めるのが最良の方法か?
ただ,ショッピングでJALカードをメインに使うのが良いかは考えどころです。還元率が良いという点では,JALマイルではなくUNITEDマイルですが,1.5%還元のマイレージプラスセゾンカードもあります。
ショッピングでJALマイルを貯めるなら還元率1.25%/1.125%のカードが存在する
どうしてもJALマイルにこだわるという場合でも,実はJALカードより還元率が良いクレジットカードがあります。それは,SPGアメックスカードとセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードです。
SPGアメックスカード
SPGアメックスカードの年会費は,なんと33,480円(税込み)!バカ高いですね。ただし,SPGアメックスで貯まるスターポイントは,マイルへ移行する際に20,000ポイントまとめて移行すると,5,000ポイントが追加ボーナスとしてプレゼントされます。JALも移行先としてあります。つまり,JALマイル還元率1.25%というわけですね。
もう一つ,高い年会費の元を取るためのポイントは,継続ボーナスとしてSPGグループに一泊無料で宿泊できるという点です。通常でも4~5万円,繁忙期だと10万円以上するセントレジスやウェスティン,シェラトンなどが毎年一泊無料になります。しかもSPGアメックスを発行するだけで,SPGゴールド会員になれますのでアップグレードも期待できるかもしれません。ただし,一泊無料はあくまで継続ボーナスなので2年目からになります。
では,初年度の年会費の元を取るにはどうすればいいか?通常の公式サイトから入会すると,10万円決済で10,000スターポイントですが,アメックスホルダーからの紹介だと,10万円決済で17,000スターポイントもらえます。同じ条件で,7,000スターポイントの差は大きいですね。実質8,750JALマイルの差です。
さらに詳しく知りたい方は,ぜひ上記の記事をご一読ください。SPGアメックスに年会費33,480円(税込)の価値があるか詳しく検討しております。
もし,お知り合いでアメックス所持者がいらっしゃらなければ,私から紹介も可能です。こちらの問い合わせフォームから「SPGアメックス紹介希望」と書いてお送りください。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカード
さて,もう1枚はセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードです。年会費は,21,600円ですが,年間200万円以上のショッピング利用で半額の10,800円に優遇されます。CLUB-Aカードと同額ですね。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードはSAISON MILE CLUB JALコースの「ショッピングマイルプラン」に無料登録できますので,1.0%がJALマイルで還元されます。
ちなみに,セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード(年会費10,800円)だと,ショッピングマイルプランの年会費4,320円は有料です。年200万円以上の利用で,年会費10,800円に優遇されるセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードはかなり有利です。
それに加え,ショッピングマイルプラン加入時にも,セゾンカード独自のポイントプログラムである永久不滅ポイントが0.25%還元されます。永久不滅ポイントはさまざま交換先がありますが,仮にこれもJALマイルに交換するとすると,2永久不滅ポイント=1JALマイルですので,0.125%還元となり,年会費10,800円(ただし年200万円以上使用の場合)で,合計JALマイル1.125%還元となるのです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードの公式サイトは上記バナーからどうぞ。
プライオリティ・パスは海外空港で思わぬ威力を発揮する
しかも,セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードは,プライオリティ・パスが発行可能です。プライオリティ・パスがあると,各航空会社の上級会員でなくとも,世界のあちこちで一部の航空会社ラウンジを使用できます。
かなり豪華な航空会社ラウンジに入れたり,海外で思わぬ威力を発揮します。例えば,下記の記事もご参照ください。
年200万円以上使用という条件はありますが,年会費10,800円でプライオリティ・パスが発行できるとなると,楽天プレミアムカードと同額となります。
もちろん,楽天プレミアムカードは,年200万円以上使用といった条件はなくプライオリティ・パスが発行できるので,プライオリティ・パスに重きを置くなら,楽天プレミアムカードもオススメです。楽天プレミアムカードの申込みは下記からどうぞ。楽天ポイントがもらえるキャンペーンも実施されています。
私も2016年3月に陸マイラーとしてANAマイルを貯め始めるまで,このセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードをメインカードにしてJALマイルを貯めていました。10万マイルぐらいなら,ショッピングだけでも貯めることは可能です。
JALカードは航空券購入専用にして,ショッピングについてはJALマイル還元率1.125%のセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードに集中させるのもありです。セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードの申込みは下記からどうぞ。永久不滅ポイントがもらえるキャンペーンも実施されています。
まとめ
基本的にJALマイルの交換率は52%であり,ソラチカルートのあるANAの交換率81%には及びません。しかし,モッピールートの開通により,一時的にせよ,JALも実質80%の交換率が可能となりました。
したがって,ANAマイルの方が貯めやすいことはもちろんですが,JALマイル「だけを」貯めるのではなく,JALマイル「も」貯めるのであれば「あり」だと思います。
本記事では,ANAマイルに加えて,JALマイルも貯めるメリットなどを検討してきました。JALマイルを貯める場合は,より多くのポイント原資が必要になりますので,ポイントサイトの活用がより重要になります。この点にご注意ください。
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